磐田市に転居予定のある方のために、磐田市在住の筆者が街の特徴や公共交通機関、天候、人柄、おすすめの地区などについて解説します。
もくじ
磐田という街の特徴
2005年に5つの市町村が合併してできた
まず知っておいて欲しいのが、磐田市は2005年に
- 磐田市
- 竜洋町
- 豊田町
- 福田町
- 豊岡村
の5つの市町村が合併してできた街です。
▲合併前の市町村の位置
そのため、今でも学校名や支所などは以前の市町村の名前が使われています。
面積は163.4 km²。宮古島(158.9 km²)と同じくらいの大きさです。
地区別人口
磐田地区 | 92,037 |
---|---|
福田地区 | 17,642 |
竜洋地区 | 18,764 |
豊田地区 | 30,443 |
豊岡地区 | 11,011 |
計 | 169,897 |
※2019年6月末現在(参考:磐田市の人口/磐田市公式ウェブサイト)
海沿いの福田、竜洋、山沿いの豊岡村は人口が少ないです。
公共交通機関、移動手段
都会のように公共交通機関が発達していないので、車がないととても不便です。
車以外の公共交通機関は
- JR(東海道線)
- 遠鉄バス
- 天竜浜名湖鉄道
の3つ。
JR東海道線
快速電車はなく、すべて各駅停車になります。
新幹線が停まる駅はなく、浜松駅か掛川駅まで行かなければなりません。
磐田にはJRの駅が「豊田町駅」と「磐田駅」の2つしかありません。
ただし、2019年度末に 「御厨」(みくりや)という新駅が開業される予定です。
場所はヤマハスタジアム近く、磐田駅と袋井駅の間。
そのため、この近辺は最近住宅が増え、小中学校の生徒数も増えています。
遠鉄バス
引用:遠鉄バス
遠鉄バスは磐田、竜洋、豊田、福田、豊岡地区すべて走っています。浜松に比べれば本数やバス停数は少ないですが、車がない場合はこの遠鉄バスに乗って移動することになります。
路線図:路線図|路線・時刻表・運賃|遠鉄バス(路線バス・空港バス・高速バス)
全国の路線バスの中でも車内はキレイで運転も丁寧なほうだと思います。
天竜浜名湖鉄道
こちらは山沿いの人口の少ない地域を走っていて、ワンマン運転で乗客も少なめ。
JRの新所原(しんじょはら)駅(湖西市)から掛川駅(掛川市)までを繋いでいます。
が、走っているといっても磐田市内の駅は3駅のみ。
駅はすべて旧豊岡村なので、磐田市街地に住む人には利用する機会がほとんどありません。
浜松駅に行くには1時間近くかかってしまうので、通学・通勤、観光で利用するという方が多いです。
車での移動には便利
東名高速、新東名高速、国道1号線バイパスなどの大きな道路が多いため、遠出をする時の利便性は高いです。
天候
磐田市は温暖な気候で、年間日照時間は全国トップクラス。
気象庁発表の日照時間の長さを表す全国気候表でも、常に上位をキープしています。
また、冬は雪が全く降りません。数センチでも積もれば授業が休止になって雪遊びします。
ただし、「遠州のからっ風」と呼ばれる強い風が吹くため、気温が高くても体感温度は低く感じます。洗濯物も飛ばされやすいので要注意。
治安
全国犯罪発生率が0.90%に対し、磐田市は0.98%。
犯罪発生率が高いということはありませんし、住んでいても治安が悪いと感じたことはありません。
人柄
静岡県西部の人は、気候が温暖なこともありのんびりとした人が多いです。
私自身、県外に住んだこともありますが、それは感じています。運転が荒いとも思いません。
ただ、「西部の人は、中部・東部・伊豆などの人に比べてカッとなりやすいけど気持ちの切り替えが早い」という話はよく聞きます。
住むならどこが良い?
家賃の差
磐田は駅前以外はそれほど家賃に大きな差がありません。
ただ、2011年の東日本大震災以降、津波を懸念して海沿いから人が離れていっています。
そのため、竜洋・福田地区は家賃が安くなっています。
また、豊岡地区はもともと「村」だった地区なため、家賃が安めです。
転勤族におすすめの地区
磐田にはヤマハ発動機を中心とした企業が多くあります。
そのヤマハ発動機周辺(富士見台、見付)は、近年開発がすすみ、お店も増えて人口が増えている地区です。
このあたりは2019年末にJRの新駅ができることもあり、アパートなど賃貸が多いので転勤族の方におすすめです。
アピタやイオンタウンなどのショッピングセンターもあり、飲食店も多くあるため生活に不便しません。また、高校が自転車通学できる距離に多くて便利です。
ららぽーと磐田の周辺は意外と不便
旧豊田町、高速道路の遠州豊田スマートICからすぐの場所にららぽーと磐田があります。
が、ららぽーとがドドンと建っているだけで、周りにお店は少なく住宅街もありません。
高速からすぐの場所にあり、遠方からのお客様が多いというのが理由のひとつかもしれません。
職場が浜松なら国道1号線(バイパス)近くに住むべし
職場が浜松の場合、磐田に住むメリットはあまりないと思います。
家賃はたしかに磐田のほうが安いです。が、浜松と磐田の間に流れる一級河川「天竜川」を越えなければならないというハードルがあります。
磐田と浜松を結ぶ橋は南から、遠州大橋、掛塚橋、旧国道1号線橋、国道1号線バイパス、かささぎ大橋、浜北大橋がありますが、通勤時間帯は必ず渋滞します。
この中で唯一渋滞がないのは国道1号線バイパスのみ。(信号がなく、片側4車線あるため)
遠州大橋も渋滞はしませんが、通行料が100円かかります。
そのため、もし磐田に住んで浜松に通勤したいのであれば国道1号線バイパスを使うルートを考えて住む場所を選びましょう。
車がない場合
磐田で車なしで生活する場合、やはりJR駅の近くがおすすめです。
磐田駅はスーパーなどはありますが、あまり栄えておらず病院も少なめ、大きな公園もありません。
豊田町駅は、浜松駅まで電車で10分で行けますし、スーパーや病院、ドラッグストア、公園などがそこそこ揃っていて住宅街なため、個人的には豊田町駅周辺をおすすめします。
住むのにおすすめできない場所
ハザードマップから見る東海地震の津波浸水が想定される場所
災害の中でも怖いのが津波。磐田市では津波による想定被害が公開されています。(参考リンク:津波浸水想定区域、浸水深 (PDF 555.5KB))
これを見ると竜洋地区なら国道150号線よりも北、福田地区なら国道150号線より北で川沿いを避けた方が良いでしょう。
河川の氾濫、水害
磐田市で一番大きな川は天竜川ですが、この川は昔から氾濫が多かったため、堤防などが大幅に改修されここ70年間は洪水が起きてきません。
他の大きな川は太田川、今之浦川、原野谷川、敷地川、ぼう僧川などがありますが、すべて洪水想定浸水マップが公開されているので、住まい選びの参考にしてみてください。
参考:磐田市ハザードマップ
その他
子育て支援
磐田市は待機児童が少ないようです。(参考:平成31年4月待機児童数と解消に向けて)
あくまで私の周りですが、「保育園を希望したのに入れなかった」という声は聞いたことがありません。
また、子どもの医療費助成制度は中学生まで無料。
個人病院は十分ありますが、総合病院が少ないため浜松まで通院・搬送される人も多いようです。
私自身が磐田(旧磐田市)で子育てしていて感じるのは、小さな公園が多く、適度な大きさのショッピングセンター、スーパー、病院、銀行などがそろっているため生活には困らないということ。
ゴミの分別は厳しめ
隣の浜松市よりゴミの分別は厳しい印象です。
まとめ
磐田市は場所によっては、本当に生活が不便です。
人口が減っている地域と増えている地域の差が大きく、小中学校も1学年に1クラスしかないようなところもあればマンモス校になっているところもあります。
人口が減ればもちろんスーパーや病院なども少なくなります。
また、昔から住んでいる人はもともと1市3町1村が合併したときの名残で、旧町で分けて考えている人が多いです。
福田地区の人には竜洋地区のことがまったく分からなかったり、中には対抗意識がある人もいます。
浜松から移り住んで思うこと
磐田は『ほどよい田舎』です。
アピタやららぽーと磐田、イオンタウンなどがあって、食品や服の買い物には困らない。公園もそこそこ多く、なにより浜松よりも渋滞が少ないです。
JRの駅もあり、東名高速や国道1号線バイパスも走っているから遠出もしやすい。
デメリットは、人口が少ないのでどこに行っても知り合いに会いやすいということでしょうか(笑)
都会は嫌だけど田舎すぎてもイヤ。そこそこの田舎がいい。
寒いのも苦手だし、冬の雪かきは憂鬱。
という人にはピッタリな街が磐田です。
これから住む人に、磐田市を気に入ってもらえたら嬉しいです。
※なにか疑問点や相談があれば、遠慮なくお問い合わせください(*^^)